【平成28(2016)年度 国の政策面での動きについて】
以下、国等の動きの一部を記載しています。(http://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/index.htmlなどを参照)
1.平成27年12月21日に開催された第4回子どもの貧困対策会議(内閣総理大臣が会長、文部科学大臣など4閣僚が委員)で決定された「すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクト」には、ひとり親家庭支援等に関するいくつかの施策が盛り込まれています。いくつかは施策として実際に実行されています。
(1)自治体窓口のワンストップ化の推進
〇ひとり親家庭の相談窓口の認知度を高めるために、相談窓口の愛称・ロゴを設定する。
→相談窓口は「こどもすくすくスクエア」と愛称が決定しています。(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000113317.html)
(2)児童扶養手当の機能の充実
〇児童扶養手当の第2子加算額、第3子以降加算額の改善
→2016年度途中から、児童扶養手当が全額支給される場合(所得が一定額以下の場
合)、第2子の場合、それまでの5000円から1万円に、第3子以降の場合、それまでの3000円から6000円になりました。ただし、一部支給の場合(所得が一定額以上の場合)、これまでは第2子、第3子は定額支給でしたが、第1子同様に所得に応じて減額されることになりました。
2.子供の未来応援地域ネットワーク支援事業(地域子供の未来応援交付金)
(http://www.kodomohinkon.go.jp/policy/pdf/koufukin.pdf)
内閣府の予算として、各自治体が以下のような事業を行うにあたって補助をするものです。
(1)実態調査と支援体制の整備計画策定
(2)コーディネーターの位置付けを含む具体的な体制整備
(3)地方自治体独自の先行的なモデル事業
しかし、予算の1割程度しか活用されていないことが報じられています(毎日新聞2017年3月17日など)。自治体側が事業費の4分の1〜2分の1を負担しなければならないことも背景にあるとされています。
3.子供の未来応援基金(https://www.kodomohinkon.go.jp/fund/)および未来応援ネットワーク事業
「子供の未来応援運動」の一環として、企業や個人等からの寄付金などを募り基金として、草の根で子どもを支援しているNPO等に対して助成を行う「未来応援ネットワーク事業」などを行っています。平成28年度は、535団体から申請があった(総額183997万円)うち、86団体(支援総額3億1500万円)に支援を行ったとされています。(http://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/kokuminundou/pdf/tsudoi/s5.pdf)
4.「平成27年度子供の貧困の状況と子供の貧困対策の実施状況」の公表(http://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/taikou/index.html)
政府には「子どもの貧困対策の推進に関する法律」において毎年1回公表が義務づけられています。28年にはじめて公表がありました。
5.奨学金制度の改善 「高等教育進学サポートプラン」
(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/12/__icsFiles/afieldfile/2016/12/26/1380888_1_1.pdf)
・「給付型奨学金制度」が29年4月から始まります(ただし、30年4月からが本格実施)。本格実施時には、国立・自宅通学で月額2万円、国立・自宅外または私立・自宅で3万円、私立・自宅外で4万円が給付されます。対象は、非課税世帯で一定の学力・資格要件を満たす学生とされ、毎年の進学者2万人とされています。29年度は私立・自宅外生と児童養護施設退所者に限定されています。
・あわせて「無利子奨学金」の低所得世帯対象に成績基準の撤廃が29年4月から行われます(これまで、評定平均値3.5以上が要件とされていました)。
6.平成29年度の概算要求についての資料が、第2回 子供の貧困対策に関する有識者会議(平成28年12月実施)の配布資料としてupされています。
(http://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/yuushikisya/k_2/pdf/ref2.pdf)